スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

静かでひっそりとした長篇小説に思わぬ事件が・・・

  • 2008/01/29(火) 08:27:29

<小雪の降る中のひっそりとたたずむ長屋の暮らしが感じられる表紙絵>
本sawadanijinohashi

澤田ふじ子著『虹の橋』。長編小説であります。
蓬田やすひろさんの絵には、簡素な直線的な線が多い。音もなく降る雪や、遠方にかすむかすかに見える寺の塔が、錦絵の手法のようにぼかされた背景にとけ込んでいる。

『虹の橋』とは何なのでしょう。遠くに見えていても渡れぬ本物の虹でしょうか、それとも虹のように綺麗な夢の架け橋なのでしょうか。いずれにしても「虹」は、美しくもあり、儚いものの代名詞ではありますので、ストーリーもそのイメージで進んでいきます。

物語は京都の裏長屋に住む貧しい家の子供たちが主人公です。長屋付き合いが深く、優しい慈愛に満ちたもので、他人の子供も自分の子供も分け隔てなく可愛がる庶民の情愛が見事に感じられる作品です。僅か五つ六つの子供たちが、成長して二十歳くらいまでに育っていく課程での細々した事件やその生活が織り込まれています。

成長していく子供たちは、見ていて楽しみなものだけれど、寂しく貧しい環境の元ではやはりやりきれないものを感じます。繊細で儚げなでいて、ある反面に恐ろしいほどにたくましく衝動的である子供たちの生きざまが語られています。
子供たちの強い絆が、その強さ故に愛を引き裂いていく。あるいは大人の愚かな行動のために、犠牲にならざるを得ない弱い子供たちがいます。

最後の悲恋のシーンには、思わずこれ以外の解決はあり得ないけれど、やはり寂しい人間の性に泣かされました。

スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。