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優雅な本の名前に騙されないように・・・。

  • 2008/03/14(金) 07:28:11

<よくよく眺めてみると血のような不気味な色合いの牡丹の表紙絵>
本uezafukaokurenai

宇江佐真理著『深尾くれない』
本のタイトルが、何を理由に付けられているのかを考えるのは、本を読む上において大きな興味の一つです。最後まで判らないことはほとんどないが、それでも難解なものが時代小説には多い。
この作者さんはいつも洒落た江戸もの、しかも小粋な芸者さんなどが主人公の本が多い。つい勘ぐって、今回もそのような花柳界の話かなと愉しみに読み始めた。
全然違った。しかも、愚かなことにこの本はすでに以前にも読んでいたのに忘れていた。

深津真也さんの表紙絵は、真っ赤な血のような牡丹の花、花弁が二三弁散っている。そして不似合いな刀の刃先。日野原牧さんの曰くありげなタイトル文字。この表紙から何かしら感じられる不気味さは、この本の内容を暗示している。あるいは読んでみて、そんな風に感じさせられたものかも知れない。

その剣の奥義は、深紅の牡丹だけが知っている・・・・。
大輪の牡丹をこよなく愛した雖井蛙流(せいありゅう)の始祖・深尾角馬。無骨にしか生きられなかった男を哀感を込めて描く。


帯の表に書かれた文句と、裏には、

妻を斬り、二度目の妻をも斬らねばならなかったのは、何故なのか。今また娘・ふきの不始末を前にして、己がとるべき振る舞いとは・・・・。
短軀ゆえの反骨心から剣の道に邁進し、雖井蛙流(せいありゅう)を興した実在の鳥取藩士・深尾角馬。大輪の牡丹をこよなく愛したことと凄絶な最後で知られる一人の剣客を、哀感を込めて描く長編時代小説。


ほぼ話の筋道を書いているこの文面から推し量れるように、本のタイトル『深尾くれない』は主人公・深尾角馬が丹誠を込めて栽培していた牡丹のその色と人々の呼び名であった。
本自体は実に、堅い実録もので、普段柔らかな宇江佐節を聞かされている読者には意外に感じる部分も多いかも知れない。

人を愛する事が苦手な偏屈な男も、娘と通い合う最期の愛情には泣かされる。
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