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先に未来のない哀しさ。

  • 2008/04/14(月) 07:25:14

<久しく見ていなかった中一弥さんの絵は、柔らかく暖かい>
本saekodure

佐江衆一著『子づれ兵法者』。
内容は、八篇の短編からなる短編集でした。

子づれ兵法者
菖蒲の咲くとき
峠の伊之吉
鼻くじり庄兵衛
猪丸残花剣
女鳶初纏
アイヌ武士
装腰綺譚


ほとんどの作品に共通するのは、書かれてないラストシーン以降の想像できる物語に未来が見えてこないことです。男女の儚い手を携えての道行きも、希望と夢のない明日しか望めない。
状況はそれぞれに違うものの、夢が描けない、先行きが短かったり、或いは悲惨であるとわかっていても、歩き出さなければいけない男女のお話が主になっています。

最期の一遍「装腰綺譚」のみが、かろうじて夢を見ることが出来る終わり方かも知れないが、それでももしかすると、死を招きかねない覚悟のある行動をとらざるを得ない。
それを乗り越えて、なお素晴らしい世界が待っているとは限らない。
女の幸せは何なのだろうかと問い詰めるようなお話であります。

ただ、この作家の佐江衆一さんは本質的に柔らかさがある。優しさに包まれたような、柔らかい文体が心すさむのを防いでくれる。
ちょっとした名人の小説であります。
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