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公徳心や宗教心、倫理観を高める読み物。・・・・その②

  • 2008/04/23(水) 07:27:26

澤田ふじ子著、『にたり地蔵』。
この思わせぶりな著書名『にたり地蔵』については、ただ地蔵さんがにたりと笑って、すたすたと歩み去ったという話から付いているだけで、自分で考えていた意味合いとは違った。
それでも石で作られた重い地蔵が、自分で歩いていくという発想はミステリー?っぽくて面白いと思ったが、そこも肩すかしで全然違った。
たしかにこの小説には謎解きは不要だった。


人間が犯罪を犯す元として、この本の中には“色と欲、そして妬む気持ち”と解かれています。
弘法大師様の言葉を例に取られ箇所が数カ所あり、

生まれ生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く、
死に死に死に死んで死の終わりに冥(くら)い


これについての後に続く会話は、

「これは東寺をお造りやした弘法大師さまが、五十七歳のときのご著書『秘蔵宝鑰(ひぞうほうやく)』の中に、記さはったお言葉どす。要するに人間は、何遍この世に生まれ変わってきてもわからんもんやと、嘆いてはりますのやわいな」
「へえっ、弘法大師さまほど知恵のあるお人が、そないなことをいうてはりますのかいな。偉いお坊さまが、そんなんではかないまへんなあ。下々の者をあっさり見捨ててしまわんと、ちゃんとしたことをいうてもらわな、困りますがな」


と庶民感覚での宗教論がぶたれている。

山高故不貴 以有樹為貴
(やまたかきゆえにとうとからず きあるをもってとうとしとなす)
人肥故不貴 以有樹為貴
(ひとこえたるゆえにとうとからず ちあるをもってとうとしとなす)


これらの弘法大師さまのお言葉が小説の中の会話の一説にちりばめられ、じつに自然に語られている事が美しい。京の町衆が、信仰云々ではなく、人としての心持ちをさりげなく語っている。
これらは名人落語家などが、枕にさりげなく話した言葉に案外意義深い意味合いが含まれているようなもので、謂わば書き物の上でも“名人芸”と言えるのではなかろうかねえ。

ただちょっと江戸ものの時代小説と違う異質な感じがするのは、奉行所の“同心”、“与力”の身分差、階級差に隔たりを余り感じないことです。
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