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タイトルと表紙絵の割には・・・。

  • 2008/05/14(水) 20:05:36

<陰惨で非道な“辻斬り”を連想させられる表紙絵、中身はちょっと違った作品でした。>
本oshikawatsujigiri

押川國秋著『辻斬り』
著者の押川國秋さんは、昭和10年、宮崎県生まれと書いてある。ということは当県のご出身で、県央のお生まれであるらしい。
前回2005年12月に「十手人」という作品を、2006年5月に「勝山心中」を読んだっきり、記憶ではこれ以外に作品がなかった。一応古いリストには、「人斬り忠臣蔵」を読んだことにはなっているが、こちらはとんと内容が思い出せない。
でも「十手人」、「勝山心中」は鮮明に覚えているので、それはブログに書いたせいなのかもしれない。

理由(わけ)などない。

三十俵二人扶持(ぶち)の戯作者気取り。
家にも職場にも居所のない男が
殺めた男、女・・・。
斬れば癒される。


帯に書かれた文句の非常さは、この本にはどこにも見あたらない気がした。
主人公の無役の御家人は、当然仕事もなく、毎日をぶらぶら過ごさざるをえない。何もしないでいるわけにも行かず、戯作者の真似事をして暇つぶしをするけれど才はない。
恥も外聞も捨て内職をし、家計を支える奥方は、力強く女の本能で、息子の養育だけに生きる道を見つけている。
この自分一人を力強く生きる妻の独説に近い文章に、その処世訓を語る一説があるが、痛ましい気もしてしまう。

わたしの人生、わたしの生き方、そういうものを考えること自体が、不幸の源になっているような気がする。女にはもともと、そういうものが与えられていないのだ。嫁いだら夫に従い、夫を助け、夫の名を挙げる。それが婦道であり、女の立派な生き方なのだ。


『辻斬り』と殺伐なタイトルをつけられた本の割には、話はミステリ-を若干含み、人情本仕立てになっている。作者自身の該博な知識と、比較的柔らかな文体で一気に読み進むと、意外な展開となって話は盛り上がる。
著作家さんはもうすでに、七十才すぎのご高齢だけれど、作家活動の開始は遅かったのでしょう。こなれた人生観で達観した文章は、乾きがあるがとても人間がやはりよく書かれていると思います。
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この記事に対するコメント

光ちゃんさん、はじめまして(*・∀・*)
先日は、ブログにご訪問&コメントありがとうございました(*´∀`*)
風来坊さんのところからいらしてくださったのでしょうか?
あたしも、時々( ノω)コッソリ こちらにおじゃまさせていただいてました(*´∀`*)エヘヘ
本、お好きなんですね(*´ω`*)温かい見方をされてるな~なんて思ってましたよ(*'v'*)
あたしは、時代物ですと、宮部みゆきさんの書いたものが好きなんですが、
今度光ちゃんさんのお勧めにも挑戦してみます!(*´∀`*)

  • 投稿者: ひまわりさん
  • 2008/05/15(木) 14:04:15
  • [編集]

いらしてくださって、誠に光栄です。

おっしゃるとおり、風来坊さんのところからお伺いしました。
とても面白いと思いつつ、先日の空飛ぶ小鳥は秀逸で、ついついコメントをさせていただきました。

老いぼれた私などより、ずっとずっとお優しく暖かい方と感じております。空に飛ぶ羊のような雲や、ベランダの洗濯ばさみにメルヘンをお求めになられる詩情は素晴らしいです。
お体に無理をなさらずに、お仕事お励みください。
来年は喪が明けるので、海外へ出かけます・・・・多分。

  • 投稿者: 光ちゃん
  • 2008/05/15(木) 21:26:52
  • [編集]

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