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風変わりな本のタイトル・・・その②

  • 2008/07/08(火) 08:25:46

<文庫本ではちょっと違う村上豊さんの風変わりな絵>
本satokubiwo02

佐藤雅美著『首を斬られにきたの御番所』、副題は「縮尻鏡三郎」シリーズ第二弾。
ミステリーとまでは行かないが、十分読み応えある謎解きがある。この謎を解くのが得意な主人公鏡三郎と勝ち気な娘、そしてその娘婿三九郎となかなか気を持たせる登場人物がいい。娘知穂は親に似てやり手で、扶持のみもらって、役立たずの婿に愛想を尽かし、実業の道(女寺子屋)をばりばり進んでいくのに対し、婿の三九郎はお人好しの間抜けで失敗ばかりか、ついには押込という懲罰まで食らう始末、これらの展開も目が離せない。

あちらこちらに当時に逸話を上手に挿入し、感心して読んでいる。当時高名であった心学者・中沢道二の教えに関する逸話は、私などは古い時代の生き証人の母から聞いた話でとても愉快に思った。
「堪忍がなる堪忍が堪忍か、ならぬ堪忍するが堪忍」など、言葉遊びのなぞなぞのようによく聞かされたものでありました。

御家人、旗本といった武士の中産階級の生活は、市井小説の中では案外少ないのではなかろうかと思っています。また八丁堀の同心、捕物帖が多い中、ちょっと違った立場の大番屋元締という職業から語られる物語は、異色でありまして新鮮な気がします。

武士階級にとって大事なことは跡目であります。
男子がいて自分の跡を継いでくれないと、後々の碌がもらえないことになって隠居しても食えません。ですから養子だとか、小さい頃からのもらい子だとか、いろいろやっかいな事をしなければいけない。またそういったことを、半ば生業としている連中がいる。
入れ子という仕組みなどもある。これについて、

この時代、“入れ子”ということがよくおこなわれた。旗本御家人にかぎってだが、たとえば相続権がある子が死んだとして、死亡届を出さずに生きたままにしておく。裕福な百姓町人あるいは武家奉公人などで、子を御武家にしたいと思っている者は世にごまんといる。彼らから相応の謝礼を受け取って、彼らの子を、生きたままにしておいた自分の子の身代わりとして受け入れる。


こんなにしてまでも跡目を継がせることが大事であり、血も繋がらぬつまらぬ奴かもしれない他人の子を受け入れなくてはいけない。
他人とはおよそうまくいくものではないが、これも仕方のないことで、それが双方にとって最良の手段なのだろう。
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