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TV映像とはまた違う本の中の人物。・・・その②

  • 2008/07/11(金) 08:44:57

佐藤雅美著『老博奕打ち』、「物書同心居眠り紋蔵」シリーズの第五作目。

この小説はまさに“八丁堀もの”です。
先日書いた「風変わりな本のタイトル」の「縮尻鏡三郎」とは、場が違う。同心、与力、岡っ引きなどなど関わる職業の方々は同じでも、立場が違うし、生活が違う。
そういった細々としたところの配慮がきめ細やかに生きている小説だ。
同著者佐藤雅美著『首を斬られにきたの御番所』では、ストーリーの中に、八百善の豪勢な料理切手が出てきた。それを持って、八百善(料亭)へ行くと豪華な料理がいただけるという切手は、今で言う商品券のようなもの。

今回は鰻切手というのが出てくる。様子の良い鰻屋“すすき”の一分(いちぶ)の切手では、特上鰻が八人前も食えることが書かれています。
鰻飯の発案者・大久保今助のこぼれ話や、また幕末の英傑・小栗上野介が家計簿をつけていて、かの高禄の旗本でさえ、年に三度しか鰻を食べられなかったという、鰻がいかに高直なものであったかを引用で語られている。
こんな話は本筋に関係ないことではあるのですが、上手に語られると、やはり作品にふくらみと重みが出てきます。読んでいく読者にもとても喜ばしいことです。

それからよく出てくる八丁堀同心について、

同心の花形、定廻りに臨時廻りは“御成り先着流し御免”といって、将軍の御成り先でも着流しを許された。着物の柄は格子か縞。身幅は裾が割れやすいように女幅。その上に竜紋裏三ツ紋付の黒羽織の端を、巻羽織といって裾を内側にめくりあげて帯に挟み、茶羽織のように短く着た。定廻りに臨時廻りは遠目でも一目でそうとわかった。
ただし定廻りに臨時廻り以外の同心は、八丁堀の同心でも、ごくふつうに袴をはいて羽織を羽織った。


なんて姿形にまでこだわるところが書かれている。
こんな事はあちらこちらの時代小説に書かれてはいるが、なんかくすぐられるようで愉しい。
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