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本の内容もさることながら・・・。

  • 2008/08/03(日) 08:26:40

<淡いブルーグレーの色調、直線を基調にした絵柄。蓬田やすひろさんの表紙絵>
本sawadazegen

澤田ふじ子著『女衒の供養』、副題は「公事宿事件書留帳」。
田舎に暮らしているとあまり非道い人間には出合わない。
でも今でも都会では、この“女衒(ぜげん)”という言葉のようなつまらぬ人間がいるのだろう。差別用語で変換できにくい沢山の単語がある中、こんな難しい“女衒(ぜげん)”が変換できるのも可笑しいな。多分今ではあり得ぬ職業とされていて、死語の類とおもわれているのかしら?決してそんなことはないのに、女の生き血を吸う輩はまだまだ大勢いるはずである。

この「公事宿事件書留帳」を読む楽しみに、“あとがき”があることは再三書いてきた。
今回は15冊目で最新刊であるため、書かれた内容も新しい。
十歳以上も年の違うご主人の幼年期の事が書かれていて、それはすさまじい困窮とご苦労とがしのばれる戦後の混乱期にいたっては哀れな環境でいらしたことを推察できる。このご主人という方はどこを探してもお名前がないし、一度本格的に図書館ででも調べなくてはと思っているが、おおよその検討をつけた名前は分かっている。
それからこの御主人と共著で本をお書きになっていて、昨年お亡くなりになった日本古代史がご専門の門脇禎二名誉教授の信念ある生き方について短く、書かれて評してあった。

歴史家として大きな業績を残されながら、戦争をしてきた者として文化勲章や学士院賞など国家的な顕彰は、すべて拒否なさった。
名誉や地位を得たがる凡俗の輩には、先生のこうした気骨はおそらく全く理解できないであろう。


また小泉政権のあとをついだ阿倍自民党が参院選で大敗を喫した事にも触れられている。
年金問題、政治と金などの政治的課題と別に、「規制緩和」が、敗因の大きな要因とされている。

「規制緩和」が、どれだけ社会に混乱をもたらしているか。(中略)
人間も経済も、一定の枠をかけておかなければすぐに暴走してしまう。規制緩和といえば聞こえはいいが、それはすなわち何でも勝手にやれと、無法をうながしているのに等しいのだ。
結局のところ、その規制緩和がもたらしたのは社会の混乱と生活の格差。あげく国民の大多数は、経済成長から取り残されているとの実感を抱いている。


小説の本文もさることながら、数ページしかないこの短い“あとがき”には本音と作者の心根の正しさ、生き様、視点の明確さが語られている。

この小説は以下の六編のお話から構成されています。

奇妙な婆さま
牢囲いの女
朝の辛夷
女衒の供養
あとの憂い
扇屋の女


主人公は男であるが、この主人公、登場人物の視点、ものの考え方はすべて作家・澤田ふじ子女史のそのものであろう。
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