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「武家女夫録」は痛かった

  • 2005/09/21(水) 08:51:55

bukemeoto.jpg
<古い端切れを思わせる装幀>
安西篤子さんの「武家女夫録」を読んだが、女夫と書かれるだけに、女性からの立場で夫を見ている書き方の視線を感じた。流麗な、それでいて古めかしい表現と文体が、実に独特のリズム感で読ませてくれる。
しかも言葉の使い方そのものが、やはり黴くさいほどに古文調で、いかにも時代をつけた物々しさと相まって、今の作家には出来ない上品な小説である。

武士を中心とした江戸の世界は、夫婦といえども男尊女卑で、夫の傅く妻は子を産み、家系の存続のためにのみ存在する卑のようなものである。人権はもとより、愛情などと言う甘い感覚での夫婦生活はなかったのではないかと思われる。そんな時代の男女関係がえがかれた名品といえよう。読んだ者すべての心は痛かっただろう。
おなごの辛さは、おなごでなければ分からぬと同様に、それらのことはおなごの作家でないと書けない凄みがあった。

安彦勝博さんの装幀表紙は、古い布切れ・端切れを思わせる、実に渋いもので、このご本のイメージにふさわしくおどろおどろしい。

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