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“とぼれん”やつやけど・・・。

  • 2008/09/19(金) 09:36:59

<物語を象徴する村上豊さんのとぼれん表紙絵>
本satomukaitate
佐藤雅美著『向井帯刀の発心』、「物書同心居眠り紋蔵」シリーズの第八弾。
このシリーズはTVで放送されたので、佐藤雅美さんの著書の中では名が通っている。実際に読んでもとても面白い。ただこの方の作品は一種独特な癖があるので、好き嫌いはあると思う。

鹿児島の方言では“とぼれん”という言葉がある。南九州の一部で使われているので、全国的にはどうなのか分からないが、“さえない”、“パッとしない”という意味に使いますが、この主人公・物書同心居眠り紋蔵がそのものなのです。しかも意外なことに何か難しい事柄に出合うと、それを見事に解決してしまう異能の持ち主でもあります。
その解決方法は常に意外性があって、とてもゆかいなことがおおい。

紋蔵に不倶戴天の敵(かたき)、現る
次男坊の養子話に頭を悩ます中、子供の喧嘩が原因で吟味方与力・黒川静右衛門に逆恨みされて・・・・。
紋蔵の周りは相変わらず難題ばかり。


この本の紋蔵は帯に書かれたとおり、自分の子供の跡継ぎや養子の問題に絡んだ難題が起きる。偶然だったり、都合よくだったりするが難問は解決される。時代背景、歴史考察が正確で丹念、史実を上手に織り交ぜてのお話は興味が尽きない。
いつも佐藤雅美さんはお勉強家だなあと感心させられる。この方の他作品「縮尻鏡三郎」も「八州廻り桑山十兵衛」もほとんど八丁堀を中心とした、犯罪者への取り締まり側の人間の出来事であります。ほどよくいろいろと読者に手ほどきをして下さる優しい心遣いを感じます。

七話構成の話で語られているが、いずれも続いているので短編集ではない。

与話情浮貸横車(よわなさけうきがしのよこぐるま)
歩行新宿旅籠屋(ほこうしんじゅくたびかごや)
逃げる文吉
黒川静右衛門の報復
韓信の股くぐり
どうして九両(くりょう)三分二朱
旗本向井帯刀の発心(ほっしん)

その他深淵で茫洋な知識は汲んで尽きることなく、五話の「韓信の股くぐり」においては、日本絵画の並々ならぬ知識をこれでもかと披露され、それが事件の発端ともなっている。そしてこの一遍から最後の章に発展するあたりは、読む者にとっては見事な伏線だと感じさせる。
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