スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ちょっとしたミステリーを読んでいる気分になる時代物。

  • 2009/05/16(土) 20:40:55

<満月の夜の海が、蓬田やすひろさん独自の青い基調で生かされている>

本hiraiwakobanshonin

平岩弓枝著『小判商人』、「御宿かわせみ」シリーズの34番目のものです。
この長い長いシリーズは、あまりにも有名になってますし、TVでもドラマ化されていますので知らないことはあまりないくらいの名作品です。
登場人物も少し年をとってきていますし、子供たちの成長も著しい。

でも困ったものですなあ。
こんなに名物のTVドラマになると、あまり見てはいない私まで小説の主人公らが、TVの俳優に重なってしまいます。
最初の頃は気にもならなかったし、自分なりのイメージも持っていたつもりですが、今では橋之助と高島礼子がちらついて困ります。

推理小説とまではいかなくても、ちょっとしたミステリーで読みやすく楽しめる本です。

作家平岩弓枝さんがお上手だなあと感心するところが何カ所もある。
これくらいのベテラン作家さんになると、さすがにさりげなくしかも目立たないけれどなるほどと思わせる表現が生きています。
思いがけない耳学問をしたと、嘉助は笑っている。
ここに書かれた言葉には深い意味と含蓄とがある。

嘉助という「御宿かわせみ」の番頭が、長い台詞で秩父の水が人形作りにとても良いことを述べているくだりにこの行がかぶせてある。。
この台詞の前の数行から、当時の人形作りの歴史や背景が披瀝されているのだが、実に上手に会話で紹介されている。それを嘉助は他人から聞いて、自分の勉強になったと話している。
作家さんが膨大な資料を調べたり、実地検分したであろういろいろな知識を、さりげなく、しかも番頭さんの聞きかじりとして読者に紹介するのはこれはうまい手です。
それでいて、嘉助の人柄を表現するかのように、良い耳学問だと言わせている謙虚さが美しい。

スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。