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久々の時代小説

  • 2005/11/05(土) 08:03:53

kanda01.jpg

<小村雪岱の浮世絵などをコラージュした表紙絵>
モーターショーに出かけていたので、久々に時代小説を読んだ。帰って来て一週間後の休みに、図書館へ出かけていって八冊ほど借りてきた。
本に飢(かつ)えていたかのように読んだ。夜中のトイレでも、長い時間読んだ。

宇江佐真理さんの「神田堀八つ下がり」、これは良かった。副題が「河岸の夕映え」なんてロマンティックについてはいるが、浪漫だけではない。短編の中味六編全てが、上手のまとめられているのは、
どやの嬶(かか)----御厩(おうまや)河岸
浮かれ節------------竈(へっつい)河岸
身は姫じゃ----------佐久間河岸
百舌----------------本所・一ツ目河岸
愛想づかし----------行徳河岸
神田堀八つ下がり----浜町河岸

以上の江戸の河岸に住まう庶民の人々の人生劇が書かれているからだ。

それぞれの主人公が、出身や、身分の違いなど乗り越えた、人情で結ばれている。人間が優しく描かれている。罪人(つみびと)がいない小説なのですよ、これは。それにしても、ふりがなを付けないと読めない漢字が多いですよね、時代小説は。

「浮かれ節」は、浮かれ武士に通ずるのか、小普請組の無役の御家人である主人公の趣味であり、生き甲斐でもある端唄がでてくる話しである。
8月末近くのこのブログに、
『謡に始まって、長唄、小唄、端唄、新内節、常磐津、清元、等々・・・これらは皆現在では身近に聴くことは不可能で、特殊な環境にでもいなければ、聞き分けることすら一般人には出来ない。
扇子を片手に着流しで、「おう、そこの新内語り。ちょいと一節聴かしてくんねえ」言ってみたいよ、こんな台詞。』

と書いているくらいだから、この世界のことが分からない。ところが、その時節のブームの主だった”都々逸坊扇歌”と、都々逸のお話が絡んでくる。名人と、その名人の才能、才覚、そして器量の大きさが爽やかに、この主人公の生活にエピソードを残す。
実によく書かれた小説で、しかも文末に参考書目として、CD「都々逸・特撰」が書かれていて、作家ご自身もお聞きになられてのであろうし、私もこれを探して聴いてみたい気がした。
これが江戸社会に、一歩踏み込める出逢いになるかも知れない。

それにしても「小普請組」とは、何という職制だろう。戦時の武家社会では沢山の兵隊が必要になるので、このような役目はなく、皆兵隊なのでしょう。徳川幕府は平時になると、それらの抱えていた身分の低い余剰人員を、非役で、微禄な「職制・小普請組」に組み入れて、飼い殺しのように養っていく。今の時代では、仕事もなく、薄給で、はかなく生きていく人生は考えられないし、そんな寛大な会社もないだろう。

「身は姫じゃ」は、昔こんなストーリーの時代劇が沢山あった。身分卑しくない姫君が、何かの事情で、江戸の町に放り出される。これこそ、浪漫だ。
こんな姫君を捜し出して、一儲けしたいな。

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