スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

伊藤桂一著「茶の花匂う」は二度目の本だった

  • 2006/02/27(月) 07:38:26

<蓬田やすひろさんの絵を、上下にぼかしをした錦絵のような装丁に仕上げたのは、森下年昭さんの工夫。茶の花畑にひっそりと抱き合う男女は、兄嫁と義弟>
20060227073401.jpg

伊藤桂一時代小説自選集は全三巻あるらしいのだが、これはその三巻目です。
本のタイトルが「茶の花匂う」。
確かに茶の花は“香る”ではなくて、“匂う”という感じのものでしょうね。

男女のはかない恋物語が主な話ではあるけれど、異常な背景がからんでいます。九編の短編から構成されていますが、どれも根本に優しさとはかなさを感じさせます。

花菖蒲を剪る
夕月夜
茶の花匂う
石薬師への道
黄色い蝶
久馬の帰藩
深山の梅
あの橋を渡るとき
鈴虫供養


今の時代に考えられない身分の違いによる“愛”とまで呼べない、その段階へも行き着かない儚げな片思いなどは、呼んでいて哀れを感じますし、自分の意思とは関係なく進んでいく結婚や、その生活はいかばかりのものなのでしょう。

三篇目の、本のタイトルになっている「茶の花匂う」は、本当に珍しいまでのほのぼのとした、全体に優しい人間愛を感じさせる“敵討ち小説”でした。
過去の読んだ何十篇の“敵討ち小説”もの中で秀逸のものでした。討つ者も、討たれる者も寛大で許しあえる心と、労わり合う心とを持ち合わせ、血を見ない解決がなされるのです。

ところで、過去に読んだ本のリストを見ていたらこの本も、他の自選集も数年前に読んではいました。
よく覚えていないのは、年の所為でしょう。
スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。