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「石を投げる女」とはどんな女なのでしょう?

  • 2006/04/02(日) 07:51:48

<西山クニ子さんの表紙絵は、ちょっとコミカル漫画調。実にのどやかなイメージで描かれている。装丁は泉沢光雄さん。>
20060401220557.jpg

面白い本を見つけた。十ページ近く前書きがあるので、装丁者を捜すのが手間取った。
副題が「幕末・上田藩足軽異聞」とあるだけに、足軽の生活について書いておられる。
著者は長野県上田市出身の方らしく、かなり丁寧にお調べになった郷土史に基づいて、綿密に足軽の生活を基盤に時代小説を書かれている。

かってこれほど、最下級武士の悲哀と尊厳を描いた時代小説があっただろうか?


信濃国上田城下を舞台に“武士ではあるが侍ではない足軽”とその家族を、抒情あふれる筆致で描いた、幕末時代小説短編集。


帯に書かれた賞賛の言葉であるが、なかなか見事な評だと思いました。
千曲川という何とも詩情あふれる有名な川のほとり、江戸の昔に身分制度の中の武士階級の最下位に属する「足軽」と蔑視され続けた人々が暮らしていたのです。
“武士ではあるが侍ではない足軽”は、雨の日も傘はさせないし、同じ職制の中にあっても、一番深く頭は下げねばならず、嫡男以外は両刀を手挟むことすら許されない。
現代においてはこのような身分制度は考えることも出来ないが、しかし当時はその自分の持つ身分が終生変わることなく、しかも何百年と続いていたわけです。
悲惨なのは、一応武士ですから百姓、町人よりかはわずかに身分は高いのですが、金のある人間の方がやはり強いわけですから、結局は最下層である人々な訳です。
短編が六編、いずれも読み応えのある内容でした。地域に密着したこのような時代小説は、江戸文化に毒されたすれた人間を見るより、心洗われる気持ちにさせられます。
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