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内容に違和感を覚え、再度借り出した「けだもの」

  • 2006/04/05(水) 17:30:38

<一目で装丁者は、田村義也さんだと判る。表紙絵は八丁堀付近の切絵図>
20060405172659.jpg

池宮彰一郎作品は、前回のア行巡りで一通り読んでしまってはいた。
無論、この「けだもの」も読んだのですが、すでに数年前のことですし、内容に違和感があった記憶があったので再度借り出してきた。

受城異聞記
絶塵の将
おれも、おまえも
割を食う
けだもの


表題の「けだもの」をはじめ、五編の短編からなっているのだが、何とも短編とは呼べない重厚なお話ばかりである。脚本家出身の作家でいらした割には、行替えと会話が少なく、難しい漢字や、堅い表現が多い内容で、好き嫌いは多いかもしれない。
大体、「絶塵」などという言葉は、意味すら知らない。調べてみたら、【俗世間から離れること。絶俗】となっていた。ついでに、ここで言う「絶塵の将」とは戦国武将福島正則のことです。
知識を得させていただく気持ちがないと、読み下しが辛い書物ではある。

ところで内容の違和感について、ようやく判りました。
この本に書かれた物語全部が、時代や場所、事柄が皆違い、一冊の本にするには無理がある気がしたからでした。
「受城異聞記」は、宝暦九年(1758)美濃郡上八幡藩に改易に伴う、お城受け渡しに関わる加賀大聖寺藩の地獄のような雪中行軍の話。
「絶塵の将」は元和元年(1615)頃の豊臣恩顧の武将、福島正則の改易の話。
「おれも、おまえも」は、信長健在の頃から、本能寺で討たれる辺りまでの、徳川家康と、茶屋四郎次郎との交わりについて。
「割を食う」は、寛永十一年(1634)剣豪荒木又右衛門の助太刀で有名になった“鍵屋の辻の決闘”にまつわる話。
「けだもの」は、これが一番に長くて、歴史的事実からかけ離れた小説仕立てになっている。文政二年(1819)頃、江戸の町八丁堀の同心の生き様が克明に、リアルに描かれていて、“けだもの”と呼ばれたずる賢い極悪人を、法の裁きを加えるために、自分の身分職業を捨ててまで戦った男の過酷な生き様がテーマだった。読んで行くうちに、江戸時代の警察制度と仕組みを十分に理解できる詳細な説明もある。この主人公の生き方には疑問も残るのであるが・・・・
と言うわけで、「けだもの」というひとくくりに出来る趣旨があるわけでもなく、最後の小説を一冊の本にするときにあり合わせのものをくっつけたという気もするなあ。違ったらごめんなさい。
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