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オシャレではない時代のウォーターフロント、「御台場」

  • 2007/02/24(土) 07:57:22

<宇野信哉さんの表紙絵には、幕末の御台場が望める>
20070224075309.jpg

諸田玲子著、『紅の袖』には、現代の御台場とは違う、幕末の築造当時の江戸の生活が漂っている。
この本の帯には、沢山の文章が書かれていて、しかも帯の表裏で内容が全て解ってしまう。

歯車は狂いつづける。秘めごとの薄衣を一枚、一枚、剥ぎ取りながら。
黒船来航に翻弄される妻女と男二人、そして下女


風が唸り、砂が舞う。
禍々しく、悩ましく
煽り立てるかのように。

御台場築造のため品川御殿山にとどまることになった川越藩士樋口杢右衛門の妻女、沙代。
夫の朋友と下女が移り住み、ひとつ屋根の下で暮らすうち、いつしか不信と愛憎の渦に巻き込まれていった・・・・

現在は大都会東京の待ちを彩る“ウォーターフロント“として、「御台場」は存在する。その言葉の響きすらオシャレに聞こえ、本来あった元の意味は感じられない時代になった。
ヤフーの「古地図で東京巡り」を参考にしても、名残は第六御台場が残るのみで、かって黒船の来航によってもたらされて、異国船への防御の要としての砲撃拠点とは思えない。

物語は幕府が慌ててこの御台場築城を、雄藩に命ずる。その為に江戸に出てきた川越藩士と、その妻が品川で暮らすことになった事から起こるお話でした。
いつもも柔らかな語り口で語られる物語は、女性作家ならではのきめ細かさと、女の情念が秘められている。数日前に読んだ『氷葬』とも共通する弱い女の強い情念は、心の襞に奥深くにあって悩ましく狂おしい。
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