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しりとり歌のように関わりが連なる小説

  • 2007/04/26(木) 06:18:19

<雨に濡れて駆けて行く女に、傘を差し掛けようとする男の絵。トーンからして蓬田やすひろ画であります>
20070425062311.jpg

北原亜以子著『恋忘れ草』、粋な名前の付いた女のお話本でした。
この表紙絵はちょっと気になることがある。中身は短編集でして、中にこの表題の「恋忘れ草」が五番目に入っている。
ちょっと抜き書きを・・・

 いったんは軒下に飛び込んだものの、さほどの降りではなく、約束の刻限にも遅れそうだったので、おいちは手拭いをかぶって走り出した。
 才次郎は、うしろから追いついてきておいちを呼びとめた。持っていた傘を、させばよいのに小脇にかかえていた。


この絵では傘を差し掛けつつ追いかけている。傘を脇にかかえていては、絵にならないのだろう。

若い頃は本を読んでいて、気に入ったフレーズがあると良く紙の上に書いたものだが、近年はしたことがない。書き写すどころかPCにスキャナーで読み取らす事もしばしばで、味気ないし、“習作”などと言ったお勉強もおろそかになった。

恋風
男の八分
後姿
恋知らず
恋忘れ草
萌えいずる時


以上の六編の短編集で構成されていますが、いずれも手習い所の女師匠「萩乃」、筆耕を生業とする浪人の娘「香奈江」、娘浄瑠璃の「おえん」、老舗の小間物屋・三々屋の娘「お紺」、浮世絵師の「おいち」、小料理屋の女将「お梶」といったちょっとした才能の持ち主の女盛りの恋物語である。
しりとりのように少しずつ名前が絡んで話が進んでいくのは、趣向としては面白いし、「萩乃」、「お紺」、「お梶」以外の三人は、「香奈江」が「長谷川里香」、「おえん」が芸名「七之助」、「おいち」が「歌川芳花(よしはな)」と別名を持っているのでちょっとややこしい。

才能はある女達ののだが、ある者は父親を失い、ある者は後ろ盾をなくしてしまって、か細い腕で生きていかなければならない女達の儚げな恋、何かにすがっても確かめてみたい恋などを見事に描き通してある。
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