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2作目がどうも時間的には古いみたいだ。

  • 2007/05/19(土) 21:03:27

<森流一郎さんの表紙絵。話の中に出てくる“蒼火(あおび)”が巧く描かれている>
20070518205959.jpg

北重人著『蒼火(あおび)』は、この作家さんの2作目になる。デビュー作『夏の椿』を読み比べてみた。中身を読み返したり、時代や、登場人物を考え直してみると、どうもこの話の方が時間的に古い。
長い葛藤の末に父親に会ったりするシーンは全作にあり、此処では会えてない。姉の子、甥の定次郎が前作では大きくなって無頼となり、この2作目ではまだ小さそうである。
<裏表紙の絵も案外大事なことを暗示している>
20070518210149.jpg

そもそも“蒼火(あおび)”とは、人を斬りすぎた人物の周りに立ち上る蒼い炎のようなもので、斬られた人々の情念が燃えていると思われる。但し、それはやはり人を斬ったことがある人物からしか見ることは出来ないものなのだ。
主人公の立原周乃介から見えたこの宿敵・和田新兵衛には大きな蒼火が燃え盛っている。しかし新兵衛からも周乃介の背負った蒼火が見える。

登場人物がとても好みにあっていて、前作同様大好きな本でした。ちょっと眺めかなという気はするけれど、主人公の過去、出自、そして友人だった男の妹で今は零落した元芸者との恋。この女との実に境遇が似た過去が、そしてそのことを心の襞に隠した生き様が生々しく語られる。
とてもこんな略歴の持ち主が描いた作品とは思えない立派な本です。

著者略歴
1948年、山形県酒田市生まれ。
仲間とともに建築・都市環境計画の事務所を設立。長く、建築やまちづくりにかかわる。
五十の声が聞こえそうになり、ふと四半世紀ぶりに小説を書き始める。
1999年、「超高層に懸かる月と、骨と」で第三十六回オール讀物推理小説新人賞を受賞。
2004年、『夏の椿』(原題「天明、彦十店始末」)が松本清張賞の最終候補作となり、同作品でデビュー。

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