スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

澤田ふじ子作品はすでに36冊も読んだ事になる

  • 2007/05/24(木) 17:40:55

<蓬田やすひろさんの表紙絵は、決闘シーンなのだけれど緊迫感がない>
20070523174207.jpg

澤田ふじ子著『真葛ヶ原の決闘』。副題が「祇園社神灯事件簿3」でシリーズ三作目。

祇園社神灯事件簿1 奇妙な刺客
祇園社神灯事件簿2 夜の腕
祇園社神灯事件簿3 真葛ヶ原の決闘

とても面白かった。
この表紙絵は、蓬田やすひろさんなのだが、実に緊迫感がなくて、決闘という雰囲気にかける。だけれども、本文の「真葛ヶ原の決闘」自体が盛り上がりに盛り上がって、あっさり片付いてしまうので、こんなイメージでよいのだろう。

僧兵の塚
真葛ヶ原の決闘
梟の夜
鳥辺山鴉心中


以上の四編の短編で綴られている。小編のタイトルの名ほどには、内容は暗くない。
お馴染みになった登場する人物等の人間の描かれ様が、とても心映えの良い人間で暖かく、しかも周りの人々からも厚い信頼を得ておられる“祇園社神灯目付役”という方々だからかも知れない。

澤田ふじ子さんの御本には、京都を知らない私にとても有り難い知識を授けて下さる。
今回も各編にそれぞれの素晴らしい有職故実や、雑知識が散りばめられて、読者の知識欲も満足させ、また読後感を納得させて下さる。

一編「僧兵の塚」では、京都所司代や、町奉行所での尋問や、その責めについて書かれている。
同著作の『拷問蔵』でもこの辺りは詳しく語られているが、なるほどと再認識した。


二編「真葛ヶ原の決闘」では、町絵師のことが語られている。
中でも“祇園井特(ぎおんせいとく)”と名乗った変わった町絵師について語られているが、澤田ふじ子さんの『高札の顔』という本の表紙絵に、この方の絵が使われています。


三編「梟の夜」では、祇園祭にまつわる四座雑色のことが書かれています。
牢屋敷の支配、刑史、犯人捜査、町の清掃から皇室や、宮門跡の供奉、警備。さらには将軍、所司代、朝鮮人使節らの送迎や滞在中の警備に至るまで、多種多様な仕事をこなす今日の町には欠かせぬ雑色という人々。


四編「鳥辺山鴉心中」では、京都の殖産業、機織り、西陣のことが書かれています。
西陣の下職人達が故郷に帰ったり、引き抜かれたりして地方機業を起こし、繁栄をしていく事への西陣の抵抗だったり、丹後縮緬や、長浜縮緬などの地方機業と西陣機業との確執、権益の問題が根が深い事などの話はとても納得のいくことだった。



本日の復習
ゆうそく‐こじつ【有職故実】
朝廷や公家の礼式・官職・法令・年中行事・軍陣などの先例・典故。また、それらを研究する学問。平安中期以後、公家や武家の間で重んじられた。

本日の覚え書き
【呉服】と【太物】の違いは、両方とも時代小説によく出てくる言葉であるが、
【呉服】とは、
1 和服用織物の総称。反物。2 太物(ふともの)に対して、絹織物の称。
【太物】とは、
1 絹織物を呉服というのに対して、綿織物・麻織物など太い糸の織物の総称。
スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。