スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「鞍馬天狗」作家が書く明治に偉人『渋沢栄一』

  • 2007/07/23(月) 07:49:51

<本田進氏の装丁、タイトルの字は唐の“歐陽通”美しいはずです>
20070723064905.jpg

大佛次郎著『激流』、副題は「若き日の渋沢栄一」。
私は何よりもまして、“歐陽通”の書が生きていると感じました。書のスタイルを表した≪欧体辨異字典≫などを見ましても、その美しさは特筆のものであります。
書聖・王羲之は言うに及ばず、唐の四大家と呼ばれた歐陽詢・虞世南・褚遂良・顔真卿らの書は実に素晴らしいし、書そのものが白と黒の二色の世界に、枯れる事なき雄大無辺の世界を描ききる芸術といえる。
この歐陽詢の子である“歐陽通”が、私はとても好きで、たびたび本の表紙にも使われています。

脇にそれてしまいましたが、実にこの本も面白かった。明治期の偉人でありますが、幕末からの話として書かれています。
作者大佛次郎は、「鞍馬天狗」として名をなした方ですが、熟れた文章はとても読みやすく、所々に作者の人物像を感じるほどに好ましいものです。
この作家大佛次郎が1897年(明治30年)と登場人物「渋沢栄一」が1840年(天保11年)、生年でほぼ60年くらいにしか違わないので、現在の作家が書くものとは違って、タイムラグもなく生々しく感じます。
冒頭に渋沢栄一の屋敷前を通った過去と、後にその跡を辿って行く話が書かれますが、距離感の隔たりが感じられません。

構成は下記の小題。

飛鳥山
動く夜
うたかた
火 宅
後の月見
危 機
世 間
旧世界
舟 出
異 国
東は東
新しい道


冒頭と言えば、この大佛次郎さんが一高の寄宿寮に入って、“蛮カラ”を気取っていらした頃の話がとても愉快だ。

欠席に数が三分の一を超えなければ、試験を受けて進級が許されるとか、門限を超えた場合でも、正門を乗り越えて帰寮すれば制裁がないとか不思議な不文律があったそうだ。
このことを知らなかった外国人教師が正門以外の垣根の破れ目をくぐって帰ったたら、殴られて負傷したと書いてある。


本文より先の、この冒頭の「飛鳥山」が面白い。
スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。