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“経営セミナー”を受けている気分になる時代小説

  • 2007/07/26(木) 08:55:30

<文字だけ、しかも時代小説らしさがない表紙>
20070726073623.jpg

加来耕三著『非常の才』、副題がとても長くて「肥後熊本藩六代藩主細川重賢 藩政再建の知略」。
まずはこのタイトルが面白い。PCで何度変換しても『非常の才』は、「非常の際」となる。通常はこれが当たり前ですから・・・

作者、加来耕三さんは調べやすい方だった。『ウィキペディア(Wikipedia)』にも載っていらっしゃるし、またご自身のHPもあった。NHKのTV番組でも拝見したことがあるし、歴史考証などでもお詳しいし、比較的顔見知りの部類の作家さんでした。

この本の『非常の才』の言葉については、本の各所に書かれているので読めば分かる事なのですが、

「非常の人あり、然る後、非常の事あり。
 非常の事あり、然る後、非常の功あり」
(非凡な人があって、はじめて常人の思いも及ばないことがあり、
そうした非常のことがあって、はじめて非常の功績もあがるものだ)


この本はかの大藩・肥後熊本細川家が、経済的に破綻をきたし、存亡の危機に立たされていた時分、この藩を救済した藩主の物語です。
六代藩主細川重賢が、藩政改革に起用した人材について語られた言葉が『非常の才』であり、その中身の意味の濃さが大切なことなのです。

“経営セミナー”のような錯覚を起こさせるこの本は、第一章から終章までの七節に分かれています。

はじめに
第一章 再建不可能
第二章 決断の行方
第三章 人中の龍
第四章 改革断行
第五章 時勢洞察
第六章 先憂後楽
終章


しかも各章は、各々十から十二の長い小見出しがつけられており、その小見出しは長く、具体的で、時代小説のそれとは異にする感じだ。
第二章「決断の行方」を例に取ると・・・

結局、人がいないというところに、すべてが落ちついた
降り積もった弊害・旧習はわずかな時間では改められない
其の人を使うに及びてや、備わらんことを求む
もはや、尋常一様の方法で、藩状を覆すことはできない
改革と名のつくものに、綺麗ごとの成功はありえない
建て直しをはかるのは財政のみでなく、藩風、人々の心である
“非常の才”はいわゆる常識の世界には見当たらない
一国をあずかるものは己れ一個の存亡を問題にするだけではいけない
欠点がある人間だからといって、排除してはならない
人事に関する秘事は、一夜にして千里を駆ける


これだけを見ると、まさに時代小説と言うより、リストラ対策の経営セミナーと言ったイメージがあると思います。

内容は実に面白かった。これほどの大藩ににも、大きな悩み事があったとは・・・意外や意外!
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