スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

この本のタイトルの意味が理解できるようになる頃は・・・

  • 2007/08/03(金) 17:29:55

<子供の頃にどこかで見た水辺の風景のような気がして・・・>
20070802154324.jpg

山本周五郎著『人は負けながら勝つのがいい』
このタイトルは、実に意味深いもので、若い頃には判らないことだったかもしれない。名のある企業に勤めていて、順風満帆の時期には考えもしない事だったろう。
勝つことだけを夢見て前だけを見、自分の道と思い詰めた道を歩き、人を押しのけ、他人を思いやるゆとりもなく生きていたあの時期には、こんな言葉は無意味な繰り言だったような・・・

この本は、昭和四十七年に【わが人生観】というシリーズで、大和出版から出た山本周五郎ものの改題らしい。
ですから内容は全部が時代小説というものではない。

ちゃん
ばちあたり
橋の下
松の花
風 鈴
水の下の石
城中の霜
青べか日記
 *青べか日記補注
歴史の文学
金銭について

以上の十一編が納められているが、青色の小題が時代小説であります。

古い作家さんのことではありますので、山本周五郎さんのお顔は知りませんでした。いつもイメージでは、細身のカミソリのようなお顔を想像しておりました。この本の見開き扉に白黒の写真が掲載されており、拝顔の栄に浴しました。将棋の棋士を思わせる丸めがねに、丸い顔、しかも親しみわくいい人の感じで、カミソリのクールなイメージはどこにもありませんでした。

本の内容は、あちらこちらの時代劇のアンソロジーで読んでいたものや、NHKTV「柳橋物語」などで挿話として使われていたもの、なじみ深いお話ばかりで面白いものばかりです。
特に冒頭の「ちゃん」は、上記「柳橋物語」の中で、重吉役を左とん平さんが好演し、家族愛に涙したものです。

難しい漢字が難しい漢字で書かれている割には、簡単な漢字がひらがなで書かれていたり、とてもこの様な表現は出来ないよなという、人の心の襞を微妙に表現したりと、名人は名人の書きようで上手に仕立ててある。

本日の覚え書き
【下男(げなん)と下卑(かひ)】
どちらも武家社会で、下働きとして雇われた男女で、実に身分の低き者どもであります。下男は“げ”と、下卑は“か”と同じ下という字を読み替えます。
でも、時代小説の身分制度というものはいつも、心に引っかかる棘のような因習でありますね。
スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。