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「我に策あり」って、中学生くらいまでだったなあ。
- 2007/08/08(水) 19:46:17
<文字だけの大きな表題かなと思っていると、門坂流氏の絵がバックに描かれていた>
加来耕三著『我に策あり』副題だろうけれど、「小説・坂本龍馬」となっている。
大人しい装丁の本に見えます。門坂流さんの絵は無彩色な銅版画みたいで、とても地味なのだけれど、この本のテーマとなる怒濤の海が描かれていて感銘的です。
坂本龍馬は多分知らない人はいないくらいの有名人ですが、それだけに小説の題材にも多く、出来る限り読むのは避けてきました。
これほどまでに固定観念化された人間像は、誰が書いても同じものにしかなりません。しかも歴史的な資料も充分残されていて、明治の頃には生きていた坂本龍馬を知っている証人が沢山いましたので、あまりいい加減な事が書かれる人でもありません。
それだけに小説としては、面白くないのかもしれません。
坂本龍馬の功績でやはり大きなものといえば、薩長同盟を成し遂げて、倒幕の礎を築いたことでしょう。
この本の中でも、その前後について高杉晋作との対面や、西郷隆盛との根回し、才ある人間の『我に策あり』は、それは見事なものであります。
私はこの年になると、他人が嫌いなりましたので、人との交わりができません。『我に策あり』というほどのひらめきも中学生程度ですり切れてしまった。しかも三十三才で太く短く逝ったこの人物よりも、かなりの年月を意味もなく生き続けているが、凡人という私から見るとねたましいほどに凄いすさまじい人生を駈けていったのですね。
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