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何年ぶりか手にした本

  • 2007/09/22(土) 19:40:11

<蓬田やすひろさんの表紙絵がちょっと愉快>
20070921194208.jpg

鳥居のそばで何人かの人間が争っているのだろうけれど、白くぼんやりした姿は緊迫感がなく愉快だ。
2005年の12月に“小笠原京著「見返り仏の女」は・・・”という内容で、この作家について書いています。
その際に、下記のように書いている。

小笠原京さんの本は、随分前に「旗本絵師藤村新三郎」という本を読んだだけで、余り多作の作家ではないようだ。
近頃になって、本の後ろに作家の略歴を記載しているものが増え、この方が女性だと言うことが分かった。また、武蔵大学人文学部の教授さんであられ、その専攻が、中近世日本文学、日本演劇史(歌舞伎、能狂言、歌謡など)と記されている。


ということは、このブログを書き始めた頃よりも前に読んだ本と言うことになります。とにかく面白かったし、内容と文体に品格があった事で、再度読み直すことにしました。

旗本の三男坊である主人公藤村新三郎は、家を出て町絵師で飯を食う変わった男です。結構二枚目で、剣に強く、義侠心に篤く、物見高く、好奇心旺盛で周りの人々からも好かれる人物であります。
こんな人物って上手に書かれないと嫌みになりがちですが、そこはそこで実に良い好人物に描かれてます。
本業の絵描きをうっちゃっておいても、廻りで起きる事件に巻き込まれたり、飛び込んだりと活躍します。
剣以外にもちょっとした武器として、絵筆を手裏剣代わりに使ったりと、小道具も実に生かされています。

井戸替の変
蛍火の怪
夕顔の縁


三編の短編によって構成され、さわやかな読後感と印象が残る傑作でしょう。

この本を読み直して感心するのは、三点であります。
まず一点は、江戸の町を飛び回る土地勘の良さと、舟を使っての朱引き外の千住当たりまでの行き来はとてもリアルに感じます。
次に着物ですね。本人は旗本の三男坊で、しかもあぶれものの変わり者ですから、伊達男ぶりが良いのです。そのお召し物を実に事細かに表現され、如何にもと雰囲気だけでも感じ入ります。
後はくいものですな。これは庶民の蕎麦がきから、ちょっとした料亭料理、田舎の旅館の朝食に至るまで、口を開けて食べたくなる錯覚を覚えるほどです。

そう言えば前にも書いていますが、この作家さん“小笠原京”は、女性です。お茶の水女子大ということですから、間違いなく女性なのです。文を読んでも、繊細なところも女性的ではありますが、先入観で男と思ってしまった後は、どうもぬぐい去ることが出来ません。
他に“佐藤雅美さん”が、最初に女性と思ってしまったら、未だに女性に思えて可笑しいです。頭が固い所為でしょう。本来この方は“さとうまさよし”とお読みするのだそうですから・・・
“多岐川恭さん”は、最初から男性と思ってましたが、いずれにしても名前の字面に惑わされるのでしょうね。
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