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此処まで奥が深いとは思いもしなかった・・・その②

  • 2007/12/04(火) 08:50:29

良い時代小説とは何だろうと、私なりに考えることがある。

第一に、面白い事。
第二に、文章が分かり易く、平易である事。
第三に、会話が適度に混じり、リズムよく読める事。
第四に、時代設定がしっかりしている事。
第五に、登場人物が素晴らしい事。
第六に、ストーリーは奇抜すぎない事。
第七に、優しい心根がある事。
第八に、話の根拠となる歴史考証がしっかりしている事。
第九に、該博なる知識が旺盛で、教えられる事が多い事。
第十に、以上のそれら全てが自然で、さりげなく押しつけがましくない事。



私は澤田ふじ子さんの小説をとても気に入っている。
私の好みの上記にあげた十項目にとても合致する。
今回の『地獄の始末』においても、全くこの勝手に思っている十項目に当てはまる。
今回に登場人物は、古画書物の鑑定をする著名な古筆家九代目の古筆了意と、それらを取り巻く弟子たち、そして用心棒の武士、食客とみなみなが素晴らしい。
それらの人々は、大層な金額が動く世界にいながら、真の美術品を見極める事にのみに生き、そのことによって自らを高め律していく。求道者なのですね。

本作品は各章において、色々なものを鑑定する。本文中では鑑定する事を“古筆見”と称しているが、その極意のごときものが表現されており、参考までに・・・

鑑定、識別の要諦は、いかに多くのすぐれた書画を見ているかにつきる。
これが十分だと、〈勘〉が鋭敏になり、箱の古び工合、軸先や表装、場合によれば軸をにぎっただけで、それが本物かにせ物かが、直感で判じられる。
古筆家歴代の鑑定法は、この直感を重んじてきた。


この直感についても、後半で論じられている。
それは触ったときの感触や湿気のあり工合など、案外と科学的な根拠のある話として語られています。

いずれにしても、作家さんが作る世界を読者がなぞって、納得するのが面白味となるわけですから、本当に納得させられるためには、作家さんの力量と描写力のほかにはありません。
そう言った意味においては、澤田ふじ子さんは最高の時代小説家ではないでしょうかね。
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