スポンサーサイト

  • --/--/--(--) --:--:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

美しいお話は、心休まるけれど・・・

  • 2007/12/11(火) 11:22:06

<炭俵を背負って女が危なっかしく丸木橋を渡る表紙絵は、蓬田やすひろさんの絵ですが、沢山の本に同じ調子の絵が有りすぎて見分けがつかない>
本sawaadazenitoribashi

時代小説の中では、この蓬田やすひろさんの装幀・装画になる本をようく見かける。
上手とも思えない、ブルーを基調にした代わり映えしないえであるが、味わいはある。但し本屋さんでは余り見分けがつかず、特色もないため目立つ事はない。
作家さんとすれば、幾分かは目立って、少しでも購買意欲をそそられてしまうような表紙絵の方がよいと望まないのだろうか?
作家さんにはそれらを希望する事は出来なくて、出版社の言うがままで、しかもそれほどの金銭欲もなく、高邁な精神でいらっしゃるのだろうか?

澤田ふじ子著『銭とり橋』、副題は「高瀬川女舟歌」。
シリーズものの一つであり、“あとがき”には

小説を書き始めて約四半世紀。これまで作品は多くの読者に支えられ、上・下本を合わせて一作として数えると、この短編集は八十三作目に当たる。


また帯には、

人情のために金を取る橋がある。
居酒屋「尾張屋」の宗因を中心に、
京・高瀬川沿いに集う市井の人々の哀感を情感豊かに描き出す、
人情時代小説シリーズ、最新刊!


京都の町中に「尾張屋」という名の居酒屋を営む、元尾張藩藩士・宗因を中心に、高瀬川を上り下りする船頭や、角倉会所の連中を絡ませた人情話。
この宗因の武士を捨てたより人間らしい生き様と、今回テーマとなった修行僧普照の人間味溢れる交友がよく書かれています。
古里の山山と谷川を隔てた街道との間に、丈夫な立派な橋を架け、人々の暮らしの利便を高めたいとする修行僧普照は、その為の浄財を集めるために勧進をして今日の町を歩く。

ふとしたことからこの宗因と普照とは知り合いになり、お互いに助け合いながら、心を通わせ、この物語に出てくるほとんどの人々がこの難事業に力を貸すようになる。
現在のように利でしか動かないような人間が多い中、魂と魂、強い意志と意志、友情と友情とらが結びつき合う事は実に美しい。物語の中だけではなく、読んでいる人みんなに共感を覚える作品です。

六編の短編から構成されてはいるのですが、どれも解決が早い。必ず後半の一、二ペ-ジで片がつく。大変にあっけらかんと一章の物語が終わる。これは澤田作品の特徴でもあります。
でも読者がこのように解決して欲しいと望むようにはならない事もある。勧善懲悪といった時代小説のセオリーといったものも無視されて、悪者はどうしたのという取り残された気分になる事もしばしばです。
それともう一つの特徴は、ほとんど一章の間に行替えがない。行替えがないので、時間の経過が時折進んでいたり、日時が二、三日進んでいたりする事に気付かない事がある。
特異な京都弁と、面白く繊細な構成は女性特有なものだと思う。
スポンサーサイト

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。