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坂、坂、坂・・・江戸は坂の町、そして女の町。

  • 2008/01/05(土) 21:09:36

<直線的な構図がお得意の蓬田やすひろさんの表紙絵>
本nanbaraedono

南原幹雄著『江戸の女坂』
先に目次を

本所離縁坂
下谷思案坂
百日坂の夕映え
雨の道行坂(みちゆきざか)
相州もどり坂
暗闇坂十三夜
女の坂道
江戸初時雨(はつしぐれ)
星月夜
おつな憂愁
富坂春雨傘


ほんの短い短編が十一編、それでも行替えの少ない会話文があまりない文体なので、びっちり書かれた読み応えのある本です。
この六編目になる「暗闇坂十三夜」にある冒頭が気に入っています。

四谷は坂道の多い町である。
したがって、その名のごとく谷も多い。


四十年も昔に東京で学生だった私は、当時地理を知るためと、かぶれた文学のために東京を歩き回りました。今ではどこだか忘れてしまったが、いろいろ歩いていると突然、歩いていた道がなくなって、急に谷になりそして階段となっていたりします。坂も実に多いのに驚かされました。
我がふるさと宮崎は、広々した平地が多く、坂はかなり郊外でないとありませんので、何処へ出かけても上り下りを感じる東京の土地にはびっくりしたものです。

この本の特徴は、タイトルの通り江戸の住まう女、しかもいい女ばかりが、縁ある坂にまつわる話が書かれています。話の内容も一編一遍違うことは勿論、その悲劇も喜劇も、すべて生きた女の証しなのです。女性が女性であるだけに、いい女がいい女であるだけに、生まれて来る悲喜劇が活写されています。
どのページから読み始めても愉しく、面白い本です。

その両者をむすんでいる坂道は百日坂と土地の者に呼ばれている。その呼び名の由来はわからないが、お百度参りからきたものだろうとかな江は思っている。


こんな表現が好きなのは、自然と作者はその名で呼ばれている“坂道”を作者ではなく、登場人物にそう思わせることによって間接的に、読者に柔らかに女らしく語って聞かせている。
例は悪いかも知れないが、先日まで呼んでいた澤田ふじ子さんだと、その“坂道”の名の由来を調べ、それを事細かに読者に教えてやるという態度があったようだ。
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