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『まんぞく まんぞく』って、普通には漢字で書くけれど・・・。

  • 2009/06/18(木) 19:59:59

<時代読み物を読んでいる実感がする中一弥さんの表紙絵>

本ikenamimanzoku

池波正太郎著『まんぞくまんぞく』
ア行から読み始めた図書館の本も、一応二巡り目のタ行あたりをうろうろしている。
ですから最初に池波本を読んだ時からは相当に時がたっています。
読書目録を見ても、池波正太郎さんは98冊を数え、この御大がいかに多作な作家であられたかが分かります。
語り口が独特で、行替えが早く、リズムがあって、ストーリーは楽しく、主人公には魅力ある人が多く、実に時代小説好きにはこたえられない作家様なのでした。
私が読んでいる頃に、お亡くなりになったはずです。

今回は主人公が女剣士、しかも美人。
自分の腕が未熟なために、不良浪人に襲われ、しかも下僕を殺されたしまう。
その敵討ちに目覚めて、勝手気ままな女剣客となって生きていくという痛快な物語。
最後にはちょっと可愛く恋愛などからんでくる。
七千石のお旗本の養女、姫としての絵になるような、映画にしたら素敵な話になりそうな小説でした。
最後のあたりで、この姫様が現状の展開がうまくいったので「満足、満足!」と言われます。
男っぽく生きてきた女剣士ですから、感嘆も男言葉で発するわけだけれど、そこは名人作家池波正太郎さんでありまして、ひらがな書きで「まんぞく まんぞく」となるわけです。

なんだかちょっと表紙への中一弥さんの絵を眺めていたら、懐かしく借り出してきたものでした。
中一弥先生、そして玉井ヒロテルさん、巻白さんなどと懐かしい池波本を飾った方々まで思い出されます。
ところで巻白画伯は、海外での方が有名な前衛的和風版画家です。

本のタイトルの意味は????

  • 2009/06/15(月) 07:34:32

<誰が書かれたのでしょうね?表紙の彼岸花>

本shinkaisuterare

眞海恭子著『捨てられた江戸娘』。
一般に本のタイトルは意味があるし、短編集だったりすると中の小編の小題が用いられたりするものです。

『影法師』
若くしてゆるがぬ名声を得た仏師の奇妙なことから始まる放浪の旅。
『渡し』
父母の命を奪った仇敵に嫁ぐ千珠。
『夢の錯乱』
呉服屋「萩野屋」で次々起こる不可解な惨事。


本の帯に書かれた文をそのまま紹介しました。
上記の三編が納められてはいますが、、本のタイトルにはなにも関係がない。
内容自体もあまりつながらない。

この作者さんをまるで知らない。
1965年武蔵野美大洋画科を卒業とありますから、少なくとも私より年齢も上で、しかも30年以上ヨーロッパに暮らしている。
謂わば日本という国、あるいは彼女の中の江戸という場所と時代に取り残された浦島太郎みたいな感覚なのかもしれません。
長い長いあとがきを読むと何となくこの本のタイトルが理解できるような・・・・。
つまりは『捨てられた江戸娘』とは、作者自身のような気もする。
娘かどうかは?????????

言葉というか、表現というか見慣れた時代小説的ものがあまりありません。
現代語で書かれた時代小説という感じがします。
読みやすくしかも絵画的で、内容もじつに面白かった。

好人物に出会った感じのする読み物

  • 2009/06/07(日) 21:11:44

<全編に浮世絵が配され美しい本の装幀になっている>

本takahashikatsuhikokanshiro

高橋克彦著『完四郎広目手控』
主人公は、旗本の嫡男でありながら、町人のように武士を捨てて暮らす香冶完四郎。
かなり昔に読んだと私の記録にはあるのですが、内容はすっかり忘れていました。
この主人公はしっかりしたお友達になれそうな好人物であり、しかも剣も達人であります。普段は腰に竹光を差し、争いごとを好まぬ人です。その癖、推理力と洞察力は卓越していて、実に見事にいろいろ難問を片付けて行きます。

彼を取り巻く人物も、よく吟味され仮名垣魯文であったり、明治期に東京日々新聞で活躍した歌川芳幾だったりでよく書かれています。

後年時代を振り返って書かれる時代小説は、登場人物が明治時代あたりの人となると、やはり資料がありすぎて、あるいは人々の知識の中に入りすぎていてかえって書くのが難しい。
この二人はその点ではよく書かれているように思う。

第一話  梅試合(うめじあい)
第二話  花見小僧(はなみこぞう)
第三話  化物娘(ばけものむすめ)
第四話  雨乞い小町(あまごいこまち)
第五話  花火絵師(はなびえし)
第六話  悪玉放生(あくだまほうじょう)
第七話  かぐや御殿(かぐやごてん)
第八話  変生男子(へんせいだんし)
第九話  怪談茶屋(かいだんじゃや)
第十話  首なし武者(くびなしむしゃ)
第十一話  目覚まし鯰(めざましなまず)
第十二話  大江戸大変(おおえどたいへん)


第一話から第十二話までのお話に、すべて愉快に感じる好ましい内容の本です。
各編の小見出しからも分かるように、話の内容ににはちょっとした怪奇ミステリーなどもあり、ひとつひとつ謎解きが上手になされて、主人公の突出した能力が発揮される。
武士の本領である剣の腕の冴えもさることながら、頭脳明敏且つ穏和で暖かい主人公がとても好ましい。
しかもモノクロではありますが、各所に浮世絵の絵が楽しめる本でもあります。

ここに出てくる子供は生意気だよ。

  • 2009/05/26(火) 20:15:56

<相も変わらず緊迫感がない斬り合いの絵、蓬田やすひろさんって絵は下手?>

本sawadashinsyoban

澤田ふじ子著『神書板刻(しんしょばんこく)』、祇園社神灯事件簿シリーズ第五巻。
どうもこれでこのシリーズは最後になるらしい。

奇妙な刺客
夜の腕
真葛ケ原の決闘
お火役凶状
神書板刻


前回の『雪山冥府図』から続けて、久々の澤田ふじ子さんの作品だったが、私はこのシリーズがあまり好みでなかったことを思い出した。

主人公の出自が問題なのか、偉そうな口をたたくし、会話の一つ一つが相手の言葉に口を挟むようないらつきを感じている。
明らかにそれを感じるのは、この主人公だけでなく、ここに出てくる小童(こわっぱ)どもにも同様に感じる。素直なまっすぐな子供らしさがない。

澤田ふじ子さん自身も凄い人ではあるが、案外に小生意気で一本気、言葉は悪いが偉そうな人かもしれないと思うようになった。多作な作家であるだけに、その才能と努力は恐れ入るが、今回の二作はちょっとそんなことを感じてしまった。

新作が出てももういいかって感じもするし、食傷したようでもある。
歴史の重みに潰されるようでもあり、なにぶん色気がなさ過ぎるかな。

久々に最新作で楽しませていただいた。

  • 2009/05/22(金) 20:45:38

<村上豊さんの表紙絵とは思えない出来映え>

本sawadasetsuzan

澤田ふじ子著『雪山冥府図』。「土御門家陰陽事件簿」シリーズの第五巻、比較的最新刊であります。
久々に澤田ふじ子さんの京都弁?であろう話し言葉で書かれた作品を読んだ。
ある時期このお方の作品ばかりを読み続けたら、自分の話し言葉がこの本の調子に似てきて驚いたことがあります。読み続けているときには、なんだか癖になる感じの言葉であり、ある時から煩わしい、耳障りになる言葉であるらしい。
あいうえお順に本を探しているものだから、このような目に遭うことがある。

でもちょっと久しぶりに新刊を目にし、またあの麻薬のような世界へ浸ろうかなと感じた私は、やはり決してこのかあ他の作品が嫌いではなかったのだ。
あまりに作品群が多く、しかも作家さんの自己主張の強いお方であるだけにアクがある。
この部分が案外たまらないのかもしれない。

土蔵の妖剣
丑刻(うしのこく)の夜
祈占(きせん)からの賊
のぞいた顔
雪山冥府図(せつざんめいふず)
喪神(そうしん)


六編の小品はどれをとっても面白い。上手に書かれている。

今回感心したのは、主人公は陰陽頭土御門家に仕える譜代衆十二家の一人笠松平九郎なのだが、今回は彼よりもその上役、土御門家家司頭(けいしがしら)赤沼頼兼の意外なほどの活躍なのであります。
普段大人しめに出てきて、公家さんのような男のイメージであった赤沼頼兼がびっくりするほど之達人として登場することが本当に驚かされる。


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